平成20年度卒業論文表彰

2009/3/26 木曜日 行事 | コメントは受け付けていません。 satoru @ 17:33:18

平成15年度から同窓会による卒業生の表彰が行われています。表彰の対象は、狭い意味での勉学(講義)から、卒業論文、資格取得、スポーツ、文化活動、あるいは懸賞論文における優れた成績、さらにボランティア活動のような社会活動などです。

本年度の「卒業論文表彰」を受賞したのは山本ゼミの宇佐見さんの論文でした。以下に論文の要旨を紹介します。

男性に対する企業の両立支援策の効果
-両立支援策実施に積極的な企業と消極的な企業のコスト比較-

氏  名  宇佐見 紘且
指導教員  山本 陽子

〔要旨〕
「仕事と子育ての両立」というと、「女性の」問題と捉えられることが多く、男性は子育てには関心が薄いといったようなネガティブなイメージが強い。しかし、男性も家事や育児を仕事と同等かそれ以上に優先させたいと希望しているのである。このようなギャップが生じている原因は、男性の労働時間が長いことにある。

男性が育児を行う時間を作り出すためにも、育児休業等の両立支援策を整備していくことが求められる。両立支援策には多くのメリットがあるものの、現状として特に男性の両立支援が進んでいるとはいえない。それは、両立支援には少なからずコストがかかるためである。コスト競争力の低下を恐れて、両立支援策に積極的な企業は少ない。

一方で、若い世代の男性は、仕事と子育てを両立させるライフスタイルを望んでいる。両立支援を行わずこのようなライフスタイルの実現を困難にさせることは、従業員の勤労意欲が低下し、それとともに生産性が低下してしまうことが考えられる。結果として、残業代やうつ病等になってしまうリスクが生じる。男性従業員が休職してしまうと企業にはこれに対応するためのコスト負担が生じてしまう。これらのコストが両立支援策実施のコストよりも高くなっている可能性がある。そこで、本稿では仮説を「男性の両立支援策を進めることは、企業にとってコスト優位となる。」とし、その検証を行っている。

男性従業員が育児休業を1年間取得し、短時間勤務を3年間行う場合(以下「両立案」とする。)にかかるコストと、男性従業員が育児休業取得や短時間勤務を行わず就業を続ける場合(以下「断念案」とする。)にかかるコストとの比較を行った結果、両立案は、断念案よりも43万円コスト優位となっており、仮説は証明された。

この仮説通りであれば、競争力の低下を防ぐためコスト面で優位となる意思決定を行う企業は両立案を選択するはずである。企業が、両立案を選択していないのはなぜだろうか。この疑問は、コストの支払時期に着目してみたときに解決した。分析期間4年間の合計では、両立案の方がコスト優位であるものの、1年目に限っていえば、両立案を選択した場合には断念案を選択する場合に比べ28万円のコスト不利となっていたのである。両立支援策を実施することによる効果は、すぐには期待できるものではない。それなのに、コスト負担だけは導入1年目という早い時期に重くのしかかっている。企
業は、両立支援策実施にかかる総コストではなく、導入コストが高いことに負担を感じているのであ
る。

両立支援を進めるにあたって企業は、その見返りとして税制の優遇を求めている。両立支援を推し進めるためにも政府も要求に応じたいところだが、財政状況を考えるとその政策には限界がある。そこで、両立支援策導入時に税負担が軽減され、両立支援の効果が現れる頃にまで課税を繰り延べることが可能な減価償却の特別償却制度の導入を提言している。

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